いつの間にか

(「いつから」続き)


いつの間にか



「なあなあ、力、何でなんだ?」

「そうだ、縁下、隠し事は無しだぞ?」

じりじりと俺に詰め寄る西谷と田中に、俺はたじたじだった。

ことの発端は、俺がミオを名前呼びで、しかも呼び捨てにしていたことが原因だったりする。

どんな関係だと聞かれても、そういえば俺とミオはどんな関係だったかと思いを巡らした。

「あー。あれだ。部活サボってたころに色々相談に乗ってもらってたんだった」

「まじかー! じゃあ、付き合ってるとかじゃないのか?」

田中が詰め寄る。
俺はそれでも二人を見て力なく笑った。

「うん。ただの友達」

なんでか、胸が痛かった。



そんなやりとりがあったからか、俺はしばらくミオから目が離せなかった。
気づいたら目で追っていて、でもなんでかな、俺はいつのまにかミオのことで頭が一杯だった。
何てことだ。俺はいつのまにか彼女が好きだったのだ。

気づいた時にはもう遅い。恋は嵐のようにやってくる、となにかで読んだ気がする。俺の心があれ荒ぶ。

「ミオ……」

友人と談笑するミオは、花のように笑っていた。




そんな部活の休憩時間のこと。

「潔子さん、縁下が霜月を呼び捨てにするの、何でだと思います?」

「ちょっ! 西谷!?」

俺が慌てて止めたけど、清水さんはなにも言わなかった。
た、助かった。

「……あっ!」

「!? 田中?」

急になにかを思い付いたような田中に顔を向ければ、おもむろに顔を逸らされた。

「えっ、田中……?」

なにかに気づいたような、気まずそうにする田中に俺も気まずくなって顔をそらした。


――――――――
千明さまリクエストです。
縁下くんで、「いつから」続き、夢主を呼び捨てにすることを田中くんと西谷くんに問い詰められ、夢主が気になるお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



160319