写真

写真




写真を撮るのが、好きだ。
一瞬の世界を写し出し、この世にとどめる。私はその"一瞬"に出会うのが、好きなのだ。

今日も被写体を探して放課後の学校内を歩いていた。
誰もいない教室、窓の外の風景。
さまざまな一瞬を撮りながら歩いていたとき、体育館が目に入る。

私は何気なく体育館に足を向けた。
入り口から中を覗いたとき、私の息が止まる。

「きれい……」

思うのと同時、首から下げていたカメラを構え、"彼"を撮っていた。




最近、俺の部活姿を写真に収める女子が居る。
隣のクラスの霜月だ。

「今日も来たの」

「あ、赤葦くん。今日もいいのが撮れたよ」

そう言って霜月はカメラのプレビュー画面を俺に見せた。
どれもこれも、俺がトスをあげる写真ばかりだ。

「霜月も暇だよね」

「ええ、ひどい。私はきれいな写真が好きなだけだよ」

このやり取りももう何度目かもわからない。
霜月はなかなか強情だった。
はじめは俺も嫌がっていたが、霜月はそんな俺などお構いなしに、毎日のように写真を撮りに来た。
いつしか諦めた俺は、写真を撮られることに対してなにも言わなくなった。

「今日も良い画が撮れたよ。ありがとね、赤葦くん」

霜月は本当に写真が好きなんだと思う。
少なくとも、俺が根負けするくらいには、写真に対して貪欲なのだ。



――――――――
穂香さまリクエストです。
赤葦くんと写真が好きな夢主です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



160901