甘えられる

(「鈍い先輩」続き)


甘えられる


光ちゃんと私は、付き合っている。
ずっと幼馴染みだった光ちゃんに告白して、一度はフラれた。だけどそのあと、光ちゃんの方から改めて好きだと言われた。
あとで聞いた話、赤葦くんが光ちゃんに喝を入れてくれたらしい。

そんな私は今、新たな悩みにみまわれている。

「光ちゃん、恥ずかしいよ」

「だって俺、ミオが好きだ」

ぎゅう、と私に抱きつく様子はまるで幼子のようだと思う。
この、好き好きアピールに、周りの人は大ブーイングだった。

「木兎、霜月を独り占めするのはどうかと思うぞ」

木葉くんが言う。

「そうだな、いくらなんでもべたべたしすぎ」

猿杙くんがため息混じりに言う。

「だってミオは俺のだもん!」

光ちゃんはだだっ子のようにいい放つ。
私はいよいよ困って赤葦くんに助けを求めるように視線を向けるのだった。




木兎さんは最近、恋人になった霜月さんにべったりだった。
好きだと気づいてからというもの、霜月さんにこれでもかと言うほどにくっついていた。

今日も今日で霜月さんにべったりな木兎さんに、先輩たちが大ブーイングをしていた。

渦中の霜月さんは、あろうことか俺に助けをすがるような目線を向けた。

「木兎さん……はぁ……」

言いかけてやめた。
この子供じみた先輩の恋を、何だかんだ応援したいと思ってしまった。
霜月さんには悪いけど、木兎さんの扱いは、きっと俺より霜月さんの方がわかっていると思うから。

「ほんと、お二人は仲がいいですね」

呆れ半分、応援半分に言葉をかければ、霜月さんの顔がさらに赤くなるのがわかった。



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千明さまリクエストです。
木兎くんで「鈍い先輩」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



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