構いたくなる

構いたくなる




ある日の放課後の体育館入り口。
俺は体育館の中を覗く少女を見つけた。
部活の見学だろうか。

「あの、部活の見学かな?」

「あっ、あの、私……」

俺の声に振り返った少女はおどおどと言葉を探していた。
あれ、確かこの子、いつも朝練の時に花壇に水をやっている子だ。

「君、いつも花壇に水をやってるよね。えーと、名前は……」

「霜月です。霜月ミオです……」

霜月の声は上ずっていた。緊張しているのだろうか。

「バレー部の見学であってるかな? ついてきて」

何でか、彼女は構いたくなる子だった。
返事も聞かず白福さんと雀田さんのもとに連れていけば、霜月はあたふたしながらも部活見学をする運びとなった。

「あ、赤葦先輩、ありがとうございました」

ペコリ、頭を下げた霜月は、やっぱり構いたくなる可愛さがあった。

「ミオちゃん、大丈夫?」

「大丈夫です、うわっ?」

洗濯を運べば躓いて撒き散らし、

「ミオちゃん、これドリンクの粉入れた?」

「あっ!」

ドリンクを作れば粉を入れ忘れた。

ちょっと抜けていて天然だけど、根は真面目なのは伝わってきた。

「霜月、早くマネージャーの仕事、慣れるといいね」

だから呆れるとかそういうのはなくて、逆に応援したいと思ってしまうのだ。


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千明さまリクエストです。
赤葦くんと構いたくなる夢主のお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



160710