年上のひと
年上のひと
四月から新しい保健室の先生が赴任してきた。その人はとてもきれいなひとで、赴任早々に男子のすべての心を射抜いた。
だけど俺はそんな風に先生を見たくなくて、一人意地になっていたのかもしれない。
「霜月先生、きれいだよなー」
「木兎さんまで……あくまで先生でしょう?」
何でみんなが彼女に夢中なのか、わからなかった。
だけどなかなか、俺はバレー部だから、保健室とは縁があるのは否めない。
今日は不注意から足を挫いてしまい、保健室で手当てを受けていた。
霜月先生は手際よく俺の足に包帯を巻く。
「よし。まだ痛む?」
「あ、いえ。よくなりました」
霜月先生は俺を見てきれいに笑う。なんだか変な気持ちになって、霜月先生から視線をはずす。
ふと、机の上にあった猫の写真が目に入った。
「ね、猫。好きなんですか?」
「うん? あ、これ? うちの猫なんだけどね、甘えたですごくかわいいんだよ?」
へへ、と子供っぽく笑った彼女。どっど、心臓が早鐘を打つ。大人だと思っていたけど、こんな風に笑うこともできるひとだったのか。
「どうかした? 赤葦くん?」
「あ、いえ。かわいいですね」
かわいいですね、なんて、猫に対して言ったのか、先生に対して言ったのか、自分でもわからなかった。
――――――――
千明さまリクエストです。
赤葦くんで保健室の先生のお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
160816