遠征デート

遠征デート



烏野高校二年、バレー部マネの私には、大好きな恋人がいる。
赤葦京治くん。彼は東京の梟谷のバレー部の二年生で、副主将をしている。

宮城の私と東京の京治くんが出会ったのは、私たち烏野が夏休みに東京に合宿に行ったのがきっかけだ。

そして今日、梟谷のバレー部が、宮城の烏野まで遠征に来てくれた。

「京治くん、はやく!」

「慌てなくてもまだ時間はあるって」

練習試合が終わり、京治くんが東京に帰るまでの二時間のデート、私は京治くんの手をぎゅっと握り、宮城を案内していた。

「京治くんとデートなんて久しぶりだよね」

「そうだね。ひとつきぶり」

京治くんは私の手をきゅっと握り返して笑う。
一ヶ月ぶりのデートに、私はふわふわした気持ちでいた。

だけど、宮城には私たち二人の雰囲気を壊す人物がいる。

「あれあれあれ、ミオじゃん」

「げ、徹……」

宮城は狭い。
私をめざとく見つけたのは、幼馴染みの及川徹だ。一も一緒にいる。いや、それ以前に青城メンバーが全員揃っていた。

「ミオ、そっちの人が例の彼氏くん?」

「う、うるさいなあ」

徹はにやにやと京治くんを見る。他の青城メンバーも物珍しそうに私たちを見ている。
嫌な人物に遭遇してしまった。私が徹を睨めば、京治くんが私の一歩前に出て、徹をにらみあげる。

「ミオとどういう関係ですか?」

「俺? 幼馴染み。君よりずーっとミオを知ってる幼馴染みだよ?」

徹は完全に面白がっている。徹のこういうところは本当に面倒くさい。

「及川ボゲェ! そうやっていつも冷やかすんじゃねえよ!」

「いたっ、痛い岩ちゃん!?」

京治くんと徹がにらみあいになる中、常識人の一が徹を諌める。

「は、一、ありがと」

「……幼馴染みさん」

私が胸を撫で下ろしたのに、京治くんはいまだ顔を歪めて徹を見ていた。

「幼馴染みさんがミオをどれだけ知っていようが、俺は負けませんし、そもそも、幼馴染みさんなんか忘れるくらいにミオの心の中を俺一色にしますから」

普段無口な京治くんが今日はやけに饒舌だった。
徹たちが面食らって言葉を失う中、京治くんは私の手を引いてその場から離れるべく歩きだす。

「京治くん……怒ってる?」

「……少しね。でも」

京治くんは人気のない道で立ち止まり、私を抱き締める。

「嫉妬してる時間も惜しいから、デートの続き、楽しもうか」

ああ、反則だ。
私の恋人は、かっこよくて大人な、そんな人なのだ。



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寛乃さまリクエストです。
メリークリスマス!


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