慌てる私と

慌てる私と



昼休み、先生に頼まれて私は花壇に水をやっていた。
ジョウロを使ってもよかったけど、ホースの方が早く終わると、私はホースで花壇に水をまいていた。

隣の花壇に移ろうと、ホースを一旦右に向けたときだった。

「冷たっ」

「え? あっ!」

声に気づき、一瞬固まり、そのあと慌ててホースを下に向ける。
右にいたその人は水をかぶり制服が濡れていた。
どうしよう、動揺した私はホースの水を止めるのも忘れてあたふたするだかりだった。

「あ、あの、大丈夫ですか? どうしよう、大丈夫です?」

「ああ、平気平気。夏だし」

その人は気にする様子もなくにかっと笑う。
私はようやく落ち着きを取り戻し、ホースの水をとめる。

「あ、あの。本当にすみません……これ、使ってください」

「おお、ありがとな」

私はポケットからハンカチを取りだし、その人に渡す。

「あの、今度改めてお詫びをしたいので、名前を教えていただけますか?」

「俺は木兎。おわびなんかいいって」

「でも……」

「いいってほんとに。大丈夫大丈夫!」

からっと笑う木兎さんに私はどうしようと動揺するばかりだ。
そんな私をよそに木兎さんは笑いながら花壇のそばから離れていくのだった。


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穂香さまリクエストです。
木兎さんと気弱な一年生のお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



170210