行かないで(「
士気をあげる」続き)
行かないで
霜月ミオは写真が好きな女の子で、不思議な魅力がある。
そんな彼女について噂を聞いた。
両親は海外で仕事をしていて、近々霜月を迎えに来ると。
そんなの、俺は聞いていない。
仲が良いかときかれたら微妙な関係だけど、だけどなにも知らされないのは腹が立った。
同時に気づいた。
この腹立たしさは言ってしまえば霜月への気持ちの重さだ。
好きだった、こんなにも。
そんなある日、霜月は学校を休んだ。
前日は普通に俺の部活の写真を撮りに来ていたのに。
霜月の友人に話を聞けば、空港に行くと言っていたらしい。
つまりは今日、海外にたつのだろう。
「間に合えっ!」
その日は初めて部活をサボった。
空港に駆け込み、人だかりから霜月を探す。
映画じゃあるまいし、見つかる確率なんてゼロに近い。
そう思っていた時だった。
「赤葦くん?」
「霜月……?」
見つけたその人に駆け寄り、大きく息を吸い込む。
「霜月、行かないで。俺は鈍いから気づかなかったけど、俺は霜月が好きなんだ」
「え……?」
間の抜けた声と顔。
霜月は次には顔を真っ赤にし、だけどにこりと笑って答えた。
「よくわからないけど、ありがとう。あの、行かないでって、なに?」
「え? ご両親と一緒に海外に行くって」
「ええっ、行かないよ!? 今日は親を迎えに来ただけで」
つまりは俺の早とちり。
嬉しいやら恥ずかしいやらで、俺はしばらく霜月とまともに話ができなくなった。
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穂香さまリクエストです。
赤葦くんで「
士気をあげる」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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