勘違い(「
構いたくなる」続き)
勘違い
バレー部のマネージャーになってから、よくクラスの女子に話しかけられる。
「ねえ、赤葦さんって好きな食べ物なに? 彼女いるのか聞いてよ」
もう何回目かもわからないそれにため息をこぼす。
「私、浮わついた気持ちでマネージャーやってるわけじゃ……」
「いいじゃん! ね、お願い」
頭を下げて頼まれてしまい、私は断れなくなってしまった。
「赤葦さん、あの」
「なに、霜月」
部活の休憩時間、重い気持ちで赤葦さんに話しかける。
「赤葦さんって、彼女いますか? あと、好きな食べ物とか、教えてほしいなって……」
ぼそぼそと言えば、赤葦さんは大きく息を吐いて頭をかく。どこかあきれたような、怒ったようなしぐさだ。
「答える義務はないよね」
刺のある言い方に、気まずくなってうつむいた。
霜月がここ一週間部活に来ない。どうやらこの前、俺が質問に答えなかったのが悪かったらしい。
いや、質問に答えなかったことよりも、俺の態度が悪かったのだ。
一年の教室に行き霜月を探す。
「あれ、赤葦さん!」
霜月のクラスメイトが俺を見つけて近寄ってくる。
あからさまに好意を寄せた笑顔に、嫌気がさす。
「ねえ、赤葦さんって彼女いますか? 好きな食べ物は?」
「……!?」
この前、霜月に聞かれたことと同じ内容。
ああ、俺はばかだ。
あの質問は、霜月のものではない。頼まれたものだったのだ。
霜月を探すように教室を見渡せば、霜月と目が合う。
だけど霜月はおもむろに立ち上がると俺に会釈して教室を出ようと俺の脇を通る。
「待ってよ!」
思わず霜月の腕をつかんでいた。
「霜月がいないと、部活が大変なんだよ。戻ってきて」
俺らしくない、告白のような言い方に、教室が静まり返る。
だけどそんなの、今はどうでもよかった。
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千明さまリクエストです。
赤葦くんで「
構いたくなる」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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