懲らしめる

凝らしめる



唖然とした。
今日は部活がある、と彼から聞いていたと言うのに、町でばったり木葉と出くわした。しかも女の子をつれている。

「ミオ、これはその……」

「その?」

何で私が唖然としたのかといえば、私が木葉の彼女だからだ。それから、木葉が女の子と一緒にいたから。
私たちはお互いに信頼しあっていると思っていた。理解しあっていると。そう、木葉のバレーが忙しくたって私たちの関係は成り立っているのだと。
だけど、今日という今日は許せない。

「あっ、いたたっ」

木葉の耳をつかみ引っ張って歩く。漫画みたいなワンシーンだけど、怒りのあまりなぜだかこういう行動にでてしまったのだ。私より背の高い木葉の耳をつかみながらひとけのない場所につれていく。

「ご、ごめんって、ミオ」

「ごめんですんだら警察は要りません」

「な、なんだよそのガキみたいな言い方」

大方、私が何も言わないからと気が緩んでバレー部を応援に来ていた女の子と遊びに出たのだろう。今日がバレー部のオフだなんて私は聞いていないのに。

「わ、悪かった」

「別れる」

「え?」

「あんなことされて、私が黙ってるとでも?」

怒りの頂点に達した私は、でも案外頭は冷静だった。凝らしめなければ木葉は今後も同じことを繰り返す。それは恋人が私じゃなくてもきっと。
あとに続くであろう木葉の恋人のために、私は彼に甘い顔をしてはいけない。

「待てよ、ミオ、」

「待たない。これに懲りたら今後は気を付けるんだね」

いつものおちゃらけた顔がみるみる歪んでいく。悲しみと動揺と後悔。
だけどここで私が彼を甘やかすのは彼のためにはならない。
私はふいっと顔をそらし、何も言わずにその場をあとにした。



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200万hit企画。
ゆふさまリクエストです。
木葉くんを凝らしめるお話です。
企画参加ありがとうございました!


170618