セコム

セコム



何をしてもミオちゃんのそばにはあいつがいた。幼馴染みだという黒尾が。

「ミオちゃんお疲れ!」

「木兎さんお疲れさ――」

「はいはいミオは俺と帰るから近寄らないでネ」

「黒尾!」

ほらまただ。
黒尾はミオちゃんに過保護だ。いつも他の男を近づけまいと威嚇している。俺もそんな"他の男"に分類されてるけど。

「黒尾には話しかけてねえし。ミオちゃん――」

「ミオは俺と帰るんですぅ」

「あー、三人で帰ります?」

「ミオ? ……仕方ねえな、ミオが言うなら」

そしてこのセコム、ミオの意見にはめっぽう弱いのだ。



「へいへいへーい! ミオちゃん俺の活躍見た?」

「見た見た! すごかった――」

「ミオは俺の応援に来ただけだから」

「黒尾!」

練習試合の時だって、ミオちゃんに話しかけるといつの間にか黒尾がそばにいる。そしてこれ見よがしにミオちゃんの肩を抱くのだ。幼馴染みの特権を乱用しやがって!

「黒尾、ちょっとミオちゃんに過保護じゃねえ?」

「んなことないって。な、ミオ?」

「私? えーと」

「ほらな、ミオちゃん返事に困ってんじゃん」

勝ち誇ったように言ったって、黒尾は動じないし自らの行動を変えたりしないだろう。だけど俺だって諦めるものか。

「ミオちゃん、俺頑張るから!」

「え? うん、頑張れ」

この強固なセコムを出し抜いて、いつか告白にこぎ着けて見せる!



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200万hit企画。
リオさまリクエストです。
木兎くんが振り向かせようと頑張るお話です。
企画参加ありがとうございました!


170619