にぎやか
にぎやか
青葉城西高校三年。
私、ミオは毎日バレー部マネとして忙しい日々を送っている。
「ミオちゃーん、おつかれさま。ねえ、及川さんに何か手伝えることある?」
「え、いや。だいじょうぶ……」
私に詰め寄る及川くんに私は後ずさった。
及川くんはてへへ、なんてかわいこぶって笑っている。
え、怖い。何をたくらんでるの?
私がおどおどしていれば、岩泉くんが助け舟を出す。
「この、及川ボゲェ! ミオが困ってんだろーが!」
岩泉くんはそういって及川くんの首根っこをつかんで私から距離をとるように引っ張っていく。
「あ、ありがとう、岩泉くん!」
「あー、おうミオ、何か困ったことあればすぐに俺に言えよ!」
にか、っと笑う岩泉くんはいつだって男前だ。
「はー、さて、洗濯……」
「ミオ、重そうだから手伝うよ」
そう言うのは松川くんだった。彼は案外優しくて、いつもこうして手伝ってくれる。
「ありがとう、松川くん」
私は彼の厚意に甘えた。
洗濯を終えれば国見くんと金田一くんが干すのを手伝ってくれた。
「ユリさんは大変ですね……」
「え、なにが?」
聞いても国見くんは答えてくれない。彼はいつも何を考えてるかわからないなあ。
「あ、たぶん、及川さんに絡まれて大変だって意味だと思います」
そしていつも金田一くんがフォローを入れる。
なんだかんだ、青西のメンバーは仲がいいな、なんて顔がほころぶ。
練習が終われば私はまた及川くんに絡まれる。
「ミオちゃーん、今日の及川さんどうだった? かっこよかった?」
「うん、すごかったよ!」
私は笑顔で答えた。
でも私はそれよりも、"彼"が気になって仕方がない。
「あ、は、花巻くん!」
「ん、何、ミオ?」
花巻くんは私のほうを見てかすかに笑う。
あ、かっこいい。だめだ、かっこいいよ。
「ミオ……?」
「あ、うん。このあと、時間あるかな?」
ようやく振り絞った声に、花巻くんは少しだけ驚きを見せたけど、すぐにまた笑顔を見せた。
「ん、大丈夫。俺もミオに用事あったし」
かくして私は花巻くんとの時間を確保したのだった。
「で、ミオ。俺に何か用事あったんじゃないの?」
みんなが帰った体育館前。私は花巻くんと向かい合わせに立っている。
でも私は彼の顔を直視できず、うつむいている。
いわなきゃ、いわなきゃと自分に言い聞かせる。
私は意を決して彼を見上げた。
「わたっ、花巻くん、が、好き……です」
上ずってしまったその言葉に、花巻くんは優しく笑うと、私の頭をわさわさと撫でた。
「知ってる。だって俺もミオが好きだから」
彼のその笑顔に私は釘付けになってしまって、この日私はようやく片思いに別れを告げた。
――――――――
90万ヒット企画より。
「青城3年わちゃの愛され花巻落ち」
わちゃわちゃしてるのは楽しいです。
151025