本当の君
本当の君
「あはは、優男くんはもう!」
そう、優男こと、及川に男勝りに少し強気で返すのは同じクラスのミオだった。
「ミオちゃんは相変わらずかわいいね」
そう及川がミオに言えば、及川のファンクラブの女子がミオをにらむのがわかる。
「べ、べつにかわいくないよっ!?」
あ、デレた。
霜月ミオはなかなかのツンデレであり、そしてなかなか強いメンタルの持ち主である。
「あ、じゃあまたね、ミオちゃん」
「うん、またね」
そうして及川が教室をあとにすれば、ミオは及川のファンクラブ会員なる女子に囲まれる。
「ねえ、霜月さん。あんた及川くんのなに?」
「なにって、友達……えっ?」
がしゃん。
筆箱を床に落とされたミオは眼を見開いていた。
「色目使ってんじゃないわよ」
「あはは、ごめん」
それでもミオはいつだってへらりと流して笑うだけだったから、俺はついに耐えきれなくなりミオに近づく。
「大丈夫か、ミオ?」
「一! 大丈夫だよ」
相変わらず笑うミオは、だけどどうして、実は弱いことを俺は知っている。
気づいたらミオの頭を撫でていた。
「え、一?」
「俺、ミオが好きだ。だから、悩みとかあったらなんでもいえ、な?」
まあ、そう言ったところでまたミオはへらりと流すのだろうと思っていた。
だけど、違った。
ミオは俺の制服をつかむとうつむいたままに言うのだった。
「ん、じゃあ。今度さ。悩み聞いてほしいな、って言ったら。迷惑かな?」
震える声はいつもとは違う可愛らしいもので、わかった。小さく返事をして一瞬だけ抱き締めた。
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千明さまリクエストです。
岩泉くんで、及川くんのファンクラブの女子にいじめられてもへらへらしてて、か弱い部分を岩泉くんに見抜かれる切甘です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
160310