驚かれる


驚かれる



大学の帰り、何となく母校のバレー部を見に寄った。

「あっ、ミオちゃん」

「こら及川くん。ミオ先輩でしょ?」

目敏く私を見つけた及川くんを諌めつつ体育館に足を踏み入れた。
私を見るなり青城の皆は私の周りに集まった。

「久しぶりっすね。あっ、部活帰りっすか?」

松川くんが私の背中の弓を見て言う。

「うん、まあそんなとこ。皆はあとどれくらい練習するの?」

「七時までだよ」

及川くんがぶりっこのような笑みを浮かべて言う。
一年生はそんな及川くんを半目でみていた。ほんと、仲いいなぁ。

「そっか。じゃあ少し見学して待とうかな……」

「えっ、待ってなんになるんすか?」

金田一くんがなんの気なしに聞いてくる。だから私もなんの気なしに答えた。

「一を待ってようかなって」

「「「"はじめ"!?」」」

みんなが一斉に一の方を見た。あれ、なんか悪いこと言ったかな。

「岩ちゃん、もしかして、ミオちゃんと付き合ってる……とか?」

恐る恐る聞く及川くんに対して、一はきょとん、とした感じで答えるのだった。

「ああ、付き合ってる」

えええ!? なんて叫びが体育館に響いた。あれ、一くん、付き合ってるの皆に言ってなかったのかな。

「俺のミオちゃんが……」

及川くんに至っては膝から崩れ落ちるほどショックを受けていた。
なんだか罪悪感があるんだけど。でももう付き合って随分経つんだから気づかない皆も皆だ。

「ごめんね。私、一と付き合ってるから」

止めだと言われようが、一応断りを入れといた。
一も一だけど、私も言わなかったのはよくないと思ったから。

「全く、ミオ先輩は相変わらずさばさばしてますね」

ため息と笑い声が同時に聞こえた。


――――――――
やなさまリクエストです。
岩泉くんで、ふとした瞬間に付き合ってることを知られ驚かれるお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



160504