あだ名
あだ名
最近及川さんがハンガー及川、なんて呼ばれている。理由はわからないけどかっこいいと思った。
「及川さん、ハンガー及川ってかっこいいっすね。俺も何かあだ名が欲しいっす」
「金田一?」
部活の休憩時間、何気なく言えば部員たちが俺を一斉に見た。
「うーん、金田一は金田一だろ」
及川さんが言う。
「そうだな、金田一は金田一だな」
松川さんが言う。
「まあ、そうだよな」
花巻さんも、国見も他の連中も、みんな口を揃えて言うのだった。
「……そうっすよね」
昼休み、何となくため息をついた。
及川さんはそう言えば、俺以外のやつをあだ名で呼んでいる。俺だけなにもない。
「金田一くん、どうしたの?」
「あ、霜月。いや、大したことじゃないんだけどよ」
同じクラスの霜月が聞いてきたので、俺はなんの気なしに返した。
「及川さんがハンガー及川って呼ばれてるみたいに、俺にもあだ名が欲しいって言ったらさ、"金田一は金田一だろ"ってさ」
俺はまたため息をつく。
「じゃあ……勇くんが良い」
「えっ?」
聞き返した時には霜月は顔を真っ赤にして俺を避けるように走り出していた。
「えっ霜月……?」
どきどきと謎の動悸がした。え、え。俺……
それ以来俺は、霜月が気になってしかたがなくなった。
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千明さまリクエストです。
金田一くんであだ名に悩むお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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