近づく

(「わかりやすい」続き)



近づく



ミオちゃんは変わり者だ。というのも、俺に対して冷たい態度をとるのだ。他のバレー部にはなつっこく笑うのに。
それがなんでかよく考えたことがあった。その日はミオちゃんを一日中観察していて、そしたらミオちゃんと何度も目があった。偶然じゃない。つまりそれは、ミオちゃんが俺の方をよく見るということで、もしかしたら。

「おはよーミオちゃん。今日も頑張ろうね」

「……うん」

「今朝さ、登校中に――」

他愛ない話から部活の話。とにかくミオちゃんに話しかけることにした。そうすればミオちゃんは俺への態度を変えるかもしれない。もしかしたら、素直になってくれるかも。

「及川、霜月困ってんだろうが」

「え? 岩ちゃんったら。そんなはずないよ! ね、ミオちゃん?」

「め、迷惑だよ」

げーん、と頭に意思を食らう。が、ここで俺は気づいた。なぜこんなにショックを受けているのか。それは紛れもなく恋なのだ。
彼女に近づきたかったのは彼女の気持ちを知るためじゃない。俺が彼女を好きだったからだ。

「なんだ。俺」

簡単なことだというのに、今になるまで気づかなかった。



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ロットさまリクエストです。
及川くんで「わかりやすい」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



170613