爆発

(「仮面」続き)



爆発



ミオは金田一が好きな素直じゃない女の子だった。
ミオと金田一の今の関係は、恋の相談をする仲だった。それは主にミオがついた嘘のせいだ。ミオは金田一に自分は国見が好きだと嘘をついている。それは金田一に話しかけるきっかけを作るための嘘だったが、ミオは今さら本当のことを言えずにいた。
ちなみに国見や青城のバレー部の面々はミオと金田一がすれ違っていることに気づいている。

そんな中、ミオの気持ちを知る国見に、ミオは金田一のことで相談を持ちかけた。

「わかった。日曜の部活終わりね」

「ありがと、国見」

そんな二人のやり取りを金田一は目撃していた。金田一はそれを見て、ミオがいよいよ玉砕覚悟で告白するのだと思った。

「……嫉妬、か」

ここまで来ても、金田一は素直になれなかった。



だがいざ日曜になると、アクシデントが起きた。国見には最近恋人ができたが、その恋人が急に時間ができたとのことで、デートをすることになったのだ。故に国見はミオとの約束を断った。これが、金田一を爆発させた。

「国見、お前!」

部室で金田一は国見の胸ぐらを掴んだ。

「霜月との約束をすっぽかすのかよ!」

「……霜月には了承もらったし」

「は?」

今にも殴りかかりそうな金田一だが、国見の方は冷静だった。こんなにむきになるくらいなら、早くくっつけと考える余裕すらあった。
二人が睨み合う中、及川たち先輩組がミオを急いで呼んできた。
部室に入ってきたミオは、国見と金田一が一触即発な様子を見てうろたえた。そんなミオに気づいた金田一は、

「霜月……国見を庇うのか?」

小さな声で力なく呟く。ミオは答えにつまる。だが、

「ミオちゃん。まだ嘘をつき続けるの?」

及川がミオの背中を押した。こうなったら、この状況を収拾する方法はひとつしかない。

「私、金田一が好き……国見が好きだっていうのは金田一に近づくための嘘だよ。今日だって金田一に関する相談を頼んでただけで」

「な……霜月?」

金田一の手から力が抜ける。胸ぐらをつかんでいた手が離れ、国見はげほ、と咳をした。

「ほんとに?」

「ごめん、なかなか言い出せなかった」

なんだ、金田一は小さく呟く。同時に、国見にとんでもないことをしたと気づき、部室のロッカーの前で伸びたジャージを直す国見の方を見る。

「国見、悪い。そうとは知らなくて」

「全く。ほんとお前ら迷惑だよな」

「わ、悪い」

「だけど、まあ。今後はうまくやれよ」

国見はふう、と息を吐きながら二人を祝福した。

騒ぎは一件落着したが、水面下でこれが公にならないように及川たちが手を回したことを、金田一も国見も、もちろんミオも知るよしもないのだ。



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柚希さまリクエストです。
金田一くんで「仮面」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



170619