わかりやすい
わかりやすい
同級生の霜月ミオはバレー部のマネージャーだ。人懐っこくて愛嬌があって、小動物系の彼女は、部員からなつかれている。
「霜月、ドリンクくれ」
「はいはいただいま」
霜月はなれた様子で俺にドリンクを渡してきた。
「岩泉くんも大変だよねえ」
「は? なにが?」
「いえいえ、こっちの話」
霜月はいつもの柔らかい笑みを浮かべていた。はずだった。
「ミオちゃん俺にもドリンク」
「……!」
なつっこい笑みは一瞬にして消えて、霜月は無表情になった。そして及川に押し付けるようにドリンクを渡してそそくさと及川に背を向けた。
「なんかミオちゃん、俺にだけ冷たくない?」
「……あ、松川くん花巻くんお疲れー」
及川からの問いかけに答えずに、霜月は花巻と松川にまたなつっこい笑みを向けていた。
端から見ればなんとわかりやすいことだろうか。気づかないのは及川だけだ。
つまりは霜月は及川に好意を抱いていて、あの態度は好きゆえの悟られまいとするものなのだ。
「ミオちゃんって変わってるよね」
小さく耳打ちする及川に、適当に相づちをうった。
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ロットさまリクエストです。
及川くんが好きな女の子のお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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