仮面
仮面
好きな子に好きだと言えないミオは、仮面をつけている。
ミオはバレー部のマネージャーで、金田一と同じクラスだった。金田一はとても優しくて男らしくて、ミオはそんな彼が大好きだった。そう、ミオは彼が大好きなのに、それを彼に悟られまいとある嘘をついている。
「金田一! ねえ、また恋愛相談乗ってよ」
「また国見の話か?」
「そうそう。ね、いいでしょ?」
その嘘とは、ミオが国見を好きだと言うものだ。これは金田一と話す機会を作るためにつきはじめた嘘だったが、今さら本当のことを言える雰囲気ではなくなってしまったのだ。ミオが国見の話をしていても、金田一は嫉妬したり嫌そうな顔をしたりしなかった。つまりはミオに対して金田一は、友情以外の感情を持ち合わせていないということなのだとミオは思っていた。
「でね、国見ったら」
「あー、あいつらしいな」
一方の金田一と言えば、実際のところミオが好きだった。だがミオが国見を好きだと知って以来、ミオの恋の相談に乗る日々を送っていた。
金田一は元々優しすぎる性格だから、国見との友情を捨てられなかったのだ。ミオへの気持ちと国見への嫉妬と友情の間で揺れる日々に、金田一は少しだけ疲れていた。
「あっ、国見!」
「霜月か……」
そんな二人のすれ違いに、当の国見はとっくの気づいていた。いつもわざとらしく自分に話しかけるミオの素直じゃない性格にはため息しかでなかった。
国見だけじゃない。青城のバレー部の全員が金田一とミオのすれ違いに気づいているのだ。
「金田一も大変だな」
「なんだよ国見?」
だが、国見は思う。
自分が二人の関係をどうこう言ったところで、この二人の関係は進展しないのだろう、と。似た者同士の二人が自分自身で相手の気持ちを知らない限り、きっとこの仮面をつけた関係は続くのだろう。
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柚希さまリクエストです。
金田一くんのお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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