誤解

(「のろけ話」続き)



誤解



近々ミオの誕生日がある。付き合いはじめて初めてのイベントに、俺は正直今から緊張していた。
何をあげよう、喜ぶかな。不安と期待でドキドキする毎日だ。

「いらっしゃいませ。彼女さんにプレゼントですか?」

「あ、あの」

勇気を出してアクセサリーショップに入れば、綺麗な店員さんが俺に話しかけてきた。あ、綺麗なとか言ってしまったが、ミオの方が断然きれいだと思ってる。から、これは浮気じゃない。

「あれ、金田一?」

「え?」

そうして、店員さんにアドバイスをもらっていたとき、クラスメイトの女子とばったり出くわした。

「なになに、金田一誰にあげるの」

「う、うるせえな。関係ないだろ」

俺とミオが付き合っているのはまだ国見以外には知らせていない。知られたらからかわれるに決まっているからだ。
クラスメイトは、ふうん、と俺を半目で見ていたが、俺は最後まで秘密を守り抜いた。




誕生日のプレゼントを買い終えて、あとは当日を待つのみとなった、そんなある日。

「勇太郎くんさ」

「なんだ?」

「この前、ハナちゃんとアクセサリーショップにいたよね」

「えっ」

見られていたのか。サプライズでプレゼントしようと思っていたのに。だけどミオが言いたかったのは、俺の焦りとは違うものだった。

「浮気してたんだ」

「は?」

「だって、楽しそうに話してた」

「ち、違っ」

「じゃあ、なんであの店にいたの?」

詰め寄られても答えられなかった。ミオにサプライズでプレゼントしたいからだ。今言ってしまったらすべてが水の泡。

「あ、あれだ。メンズのアクセサリー見てたんだよ」

「勇太郎くんが?」

「お、俺だってアクセサリーに興味くらいあるよ。だから、あいつはたまたま出くわしただけだ」

うまく誤魔化せただろうか。ミオは渋々納得したが、その後あきらかに沈んでしまっているのはあきらかだった。



――――――――
ゆふさまリクエストです。
金田一くんで「のろけ話」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



170514