どこまでも鈍い

(「気付かない」続き)


どこまでも鈍い




二口が、ミオちゃんに公開キスをした。

それから数日した今日、ミオちゃんはまた部活を見に来ていたけど、何だかんだ二口がミオちゃんを意識してるのは明らかだった。
この前のキスのことなんか反省する様子もない二口に、俺は上ずった声で注意をする。

「ふ、二口っ、部活中にき、きき、キスはダメだからなっ?」

「茂庭さん真っ赤スね……でも俺、やめませんよ」

そう言ったかと思うと、二口はおもむろにミオちゃんを引き寄せる。

「堅治く、」

「んお!?」

ミオちゃんを引き寄せキスをしようとした二口を、青根が止める。がしっと顔を掴まれていた。

「青根、邪魔すん、な」

「はいストップ!」

鎌先が二人の間に割ってはいる。な、ナイス……

「全く二口は……」




ある日の部活の休憩中。
久々にミオが顔を出しかと思えば、茂庭さんが俺に、ミオにキスをするな、だなんて言うもんだから、是が非でもミオにキスをしたくなった。

だけど、周りのやつが邪魔してそれは叶わなかった。
……過保護すぎねえ?

「全く二口は……」

「あのっ、茂庭さん!」

茂庭さんが俺を叱ろうとしたときだった。ミオが割ってはいるように口を挟む。

「堅治くんは……その、天の邪鬼だから、ダメって言うと、逆にやりたくなっちゃうっていうか……」

みんな、固まってミオを凝視していた。
ばっかじゃねえの。まだ気づかないのかよ。

つーか、気づいてないの、お前だけだし。

「ばーか。バカミオ」

「は? ばか二口には言われたくないよっ」

結局俺たちはまだまだ友だち止まりなのかもしれない。
俺の気持ちに気づかないのは、この幼馴染みだけなのだ。
どこまでも鈍いやつだ。


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千明さまリクエストです。
二口くんで「気付かない」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



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