遠距離クリスマス

遠距離クリスマス




若利くんと付き合い始めたのは、春高がきっかけだ。
宮城代表で東京に来ていた若利くんと私は偶然出会い、付き合うに至った。

だけど遠距離だと不安だらけだ。
若利くんのチームメイト、天童くんが言っていた。若利くんはよく告白される、と。

天童くんは人の恋路を楽しんでるだけかも知れないけど、その言葉は私を不安にするには十分すぎた。

「はー、クリスマス、か」

そして、季節はクリスマス間近になっていた。
私は毎日学校でも家でも憂鬱だった。
どうせクリスマスにも若利くんには会えないからだ。

そんな風に過ごしていたら、下駄箱にラブレターが入っていた。

「……!」

私は若利くんと付き合っているから、このラブレターには応えられない。
だけど、無視するわけにもいかず、とりあえず指定された体育館裏に向かうことにした。




「霜月が好きです」

まっすぐな告白をされた。
隣のクラスのその人に。
もし、若利くんが隣のクラスだったら彼氏がいるってみんなに知れ渡るのに。そうしたらこんな風に告白されることもないのに。そんな考えがよぎる。

「ごめんね、私、付き合っている人がいるから」

謝り、足早にその場を去った。



そこからどこをどう歩いたのか自分でも分からない。
だけど、私は目の前にたつ彼に足を止めた。

「若利くん?」

なぜ東京にいるのか。なんで、なんで。

そういえば今日はクリスマスだ。サンタからのプレゼントだろうか。

「ミオ……」

若利くんはおもむろに私を抱き締めた。あ、幻じゃない。
嬉しくなって抱き締め返す。

「誰かに盗られてしまうのではないかと不安だった」

まっすぐなもの言いは相変わらずだ。
相変わらずだけど、その言葉は私の心を満たすには十分すぎる。

「私も。不安だった。会いたかったよ、若利くん」

甘いクリスマスイヴが始まる。



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メリークリスマス!


161208