怒ると怖い
怒ると怖い
賢二郎くんは口が悪い。
普段はすました顔で落ち着いた雰囲気だけど、怒ると怖い。
「ばーか。バカミオ。知らねえ」
「な……賢二郎くん? 私何かした?」
突然怒り出した賢二郎くんに、私は訳がわからない。
ふいっと顔をそらす賢二郎くんは、私の問いに答えてくれる気はないようだ。
「賢二郎くんなんか知らない!」
だんだん腹が立ってきて、私もつられて言い返す。
賢二郎くんは目を真ん丸にして驚いて、そのあと大きなため息をついた。
「なんだよ、お前が悪いんだろ」
「私が?」
「あーもう、そうだよ。お前がバレー部の先輩とにこにこ話してたから嫉妬したんだよ!」
やけくそだと言わんばかりに言って、私を抱き締める。
とくとくと聞こえた賢二郎くんの心音は少し早い。
怒っていた訳じゃないのかと安心したら、涙がこぼれた。
「なっ、ミオ泣いて……」
「だって、嫌われたかと思った〜!」
子供のようにわんわん泣く私を、賢二郎くんはいつもの冷静な口調であやすのだ。
「嫌うわけないだろ。ばかじゃないの」
少しの悪態をつきながら。
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寺崎さまリクエストです。
メリークリスマス!
161212