両片思い

両片想い




同じクラスの霜月ミオは、なるほどどうして男勝りだ。
三年間同じクラスだったから、俺は霜月の性格をよく知っている。

「おっはよーセミセミ!」

「その呼び方やめろ!」

「だって天童がそう呼んでたじゃない?」

けろっと言い放つ辺りこいつはやはりさばさばした性格なのだ。

だがしかし、性格とは裏腹に見た目は可愛らしいから、これはこれでもてるというから驚きなのだ。

「霜月、お前また告白されたらしいな」

「えっ、どこから仕入れるのそういう情報」

「天童からだよ」

「うわー、怖いわ〜!」

けらけらと笑い飛ばす様子もやはりさばさばしていて、こいつはいい性格をしているとため息すら出ない。

「霜月って好きなやついんの?」

「まさか。いたら告白してるって」

そうだ。
霜月は男勝りでさばさばしていて、だからきっと好きなやつが出来たら自分から告白するだろう。

「そっか。まあ、お前に彼氏なんか想像できないけどな!」

「瀬見ひどーい。私だって女の子なのに!」

ぱしん、背中を叩かれて、噎せた。

そんな霜月に惚れている俺は、こいつがこんなんだからなかなか告白できずにいるのだ。

「でも、なあ霜月」

「なにさ?」

「俺って霜月にとって何なんだろうな。悪友? 親友?」

天井を仰いで何気なく聞けば、霜月はいきなり静かになる。
なにか悪いことを言っただろうか。
俺は隣の席に座る霜月を見る。

「瀬見は特別かな。特別な男の子」

霜月は俺の方を見ないで言った。
だけど俺は知ってしまう。霜月は俺が好きだったのだと。

長い付き合いなのだ。
霜月の声色が、表情が。
全てが今までとは違う、"女の子"のそれだったのだから、つまりは俺たちは。

「両思いか……」

俺の声なんか霜月には届いていないに違いない。

さて、この先霜月にどうやって気持ちを伝えようか。

ドキドキと不安と嬉しさに、一人でガッツポーズをした。



170201