癖
癖
彼女の癖。
そのいち、照れると髪をいじりながらしゃべる。
そのに、嬉しいときは身ぶり手振りが大袈裟になる。
そのさん、怒ってるときはいつもより笑顔が多くなる。
その他にもたくさんの癖があるが、つまるところ俺の彼女はとても分かりやすい。
「賢二郎くん、どうかした?」
「いや、何か良いことあったのかなって」
今日は身ぶり手振りが大袈裟だったから、つまりは何か良いことがあったのは一目瞭然。
ミオは俺の言葉に頬を赤らめる。
予想外の反応に、俺までなぜか照れ臭くなってしまう。
「だって、今日は久々に賢二郎くんとお昼食べられるからさ。ちょっと、ううん、すごく楽しみにしてたの」
「は……?」
全くの予想外。
そんな些細なことで喜んでいたのか。
驚きと照れと嬉しさと。どうしていいかわからなくなってしまう。
「賢二郎くんってさ、照れると口数減るよね」
「え? ……気のせいだよ」
「それから、ちょっとぶっきらぼうになる」
「な……ミオだって、嬉しいときは身ぶり手振りが大袈裟になるし――」
つまるところ、俺もミオも互いが互いの癖を知り尽くしているのだろうか。
いや、断じて違う。
俺の方が、ミオの癖をたくさん知っているし、ミオへの好きの気持ちだって、負けないのだから。
170201