気づいてない
気づいてない
今年の一年には期待されている子がいる。
五色工はウィングスパイカーで自称次期エース。
まあ、自称しなくても確かにエースの資質はある。
「つーとーむ!」
「わっ、ミオさん、どうかしましたか?」
私はその、次期エースがかわいくて仕方がない。
自信家ででも憎めない、かわいらしい一面があるこの子が。
「いやー、先輩が昼休みに会いに来たら変かな?」
「いえ! 変じゃないです!」
工はお弁当を食べながら私を見てきっぱりと言った。
あ、ほっぺにご飯粒ついてる。ほんとにかわいいなぁ。
「工、ご飯粒ついてるよ」
「あ、すみません」
私は自然なしぐさで工の頬からご飯粒をとり、自分の口にいれた。
「ほんと、工はかわいいんだから」
「? ミオさんの方がかわいいと思いますけど!」
「あーもうダメ、かわいすぎ。好き……」
工には私の気持ち、伝わっていないんだろうなぁ。
私が言う"好き"は、異性としてで、後輩とか弟とか、そういう意味ではないのに。
「俺もミオさん、好きですよ!」
ほらもう。やっぱり気づいてない。
170201