鬼ごっこ、のち

鬼ごっこ、のち




「こんの、待てミオ!」

「待てって言われて待つバカはいないよーだ!」

昼休みの廊下、鬼ごっこを繰り広げる私と瀬見は悪友だ。

瀬見はさばさばしていて、男女問わず友達がたくさんいる。
私もそのうちの一人。

「待てって」

「やーだよ!」

私がなんで瀬見に追われてるかと言えば、瀬見のスマホを持っているからだ。
何でも、瀬見に好きな子がいるとかで、だから私は瀬見の部活のグループラインを見ようと思ったのだ。

瀬見が好きな子って、誰だろう。



何とか瀬見を巻いて、私は廊下の片隅で瀬見のラインを開く。
ちなみに私は、瀬見のスマホのロック解除の方法を知っているくらい仲が良い。

ドキドキしながらラインを開く。

「は……?」

目に入った文字が信じられず、ラインを辿る。

「ばーか!」

「あっ、瀬見!?」

動揺していたから、瀬見が目の前にいたことに気づかなかった。
瀬見は私からスマホを奪うと、そのまま私を見下ろしてきた。

「だから見るなっつったのに」

「瀬見……?」

「お前が好きなんだよ、気付けばーか」

一言、それだけ言うと、瀬見は私に背を向けて歩き出していた。

どっど、心臓が今さら脈を速める。

私は、私。

気づきたくなかった、気づいていた。
私にとって瀬見は悪友以上の存在だって。



170201