女の意地

女の意地



私の好きな人の家は由緒正しい家系で、どうやら女らしいお嫁さんをと言われて育ってきたようなのだ。

「牛島さん、お疲れさまです」

「ああ」

「あっ、それからこれ。お弁当作ってきました!」

女らしいとは何なのか。考えた結果まず私は料理を始めた。
牛島さんにひとめぼれをしてから一年、毎日毎日お母さんに料理を習った。
まだまだ腕はお母さんに及ばないものの、そこら辺の女の子よりは料理は出来ると自負している。

「霜月は料理が好きなのか?」

「はい! 女たるもの、お料理ができないのは恥ずかしいですから!」

「俺はそうは思わんが」

「えっ?」

思いもよらない言葉に、私の中の何かが崩れ落ちる。
そうだ、私は牛島さん自身の好みを知らない。

「俺は霜月が料理下手でも、それは恥ずかしいことではないと思うが」

「へ?」

「だが、料理がうまいのはもっと自慢していいと思うぞ」

牛島さん。牛島さん。
あなたそれ反則ですよ。
私は牛島さんにまだまだみあわない人間だけれど、いつか最高の女になって、牛島さんに告白して見せますからね。



170213