雨宿り
雨宿り
宮城に引っ越してきた。
来週から白鳥沢学園と言う高校に通うことになった。
白鳥沢は私立で、宮城県内でも有名な進学校だ。
家からの距離は少し遠い。
だから私は、学校までの道を覚えるべく、散歩がてら白鳥沢へ歩いていた。
だけど帰り道に運悪く雨が降り始め、私は途中のお店で雨宿りしていた。
「ついてないな」
ぼんやりと空を見上げていたら、一人の男の子がこちらに向かって走ってくる。
彼もまた、傘を忘れたのだろうか。
「ふー、あっぶね」
彼は建物に入ると、濡れた制服をタオルで拭き始めた。
「あれ、君も雨宿り?」
「え、私?」
初対面なのにその人は私を見てにかっと笑った。なつっこい笑みだ。
「あー、俺、折り畳み傘持ってるから、一緒に入ってく?」
「え……」
初対面で、しかも男の人と同じ傘に入るのは気が引けた。
どうやって断ろうかと考え込めば、彼は気づいたように私に傘を渡してきた。
「悪い。初対面で同じ傘はないよな。これ、使って!」
「え、待って」
そうして彼は、私に傘を押し付けるように渡したのち、自分は雨の中を走り出していた。
変わった人だ。
そんな彼と私は、しばらくしてから再会を果たす。
彼は私が転校した白鳥沢の同じクラスで、名前を瀬見英太という。
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千明さまリクエストです。
瀬見くんと転校生のお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
170321