例外です

例外です



好きな子の前では普段通りにできないのは、きっと俺だけじゃないはずだ。
まして片想いも一年を経過する頃には拗らせに拗らせてもうどうにも関係を変えられなかったりする。

後輩の霜月に恋をしたのはもう一年も前のことだ。彼女はいわゆるおせおせな女の子だけど、小動物系でものすごくかわいい。そんな彼女は俺に対しておせおせな態度をとらないわけだから、つまりは俺に興味がないのは明らかだった。
だけど実際、分かっていたからってこの恋を諦められるかと聞かれたら、それはノーだ。

「えー、白布さんったら」

そして俺の気持ちを知る人間はいない。白布にすら話していないのだ。もし白布に話していたなら、今この状況は起こらなかった。
白布と楽しそうに話す霜月を目撃するだなんて、こんなこと。

「マジかよ」

もしかして、霜月は白布が好きなのではないか。楽しそうに話しているし。二年の教室の前に霜月がいること自体、その証拠と言えるだろう。

ああ、なんだこれ。イライラする。

「え、川西」

「川西さ、え?」

イライラするからって、こんなことをする俺は大分末期だ。いや、今はそんなことどうでもいい。どうにかなりそうなこの気持ちを、恋心を、ぶつけずにはいられなかった。

壁際に霜月を追い込み、顔の両脇に手を置いた。

「か、川西さん?」

「……好きだ」

まるで後輩を脅しているように見えるだろう。俺自身もその自覚はある。あるけど、もうどうにもできなかった。いつも通りなんて無理だ。冷静と評される性格だって、この子の前では例外。

「わ、私も、好きです」

「……え?」

あとから聞いた話、霜月は白布と俺の話をしていたそうだ。




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200万hit企画です。
川西くんが嫉妬するお話です。
企画参加ありがとうございました!



170617