語り草

(「私にだけ」続き)


語り草



かわいい後輩が恋の悩みを相談してきた。どうやら工はその、霜月ミオちゃんが好きなようだ。無自覚なのはきっと工だけで、ミオちゃんの方は工の気持ちに気づいている。

ミオちゃんというのはきっと、いつも工と帰っている女の子のことだ。

「あ、いたいた。君、霜月ミオちゃん?」

「え、私」

「ああ。俺、瀬見。工の先輩。工が話したいからって。ちょっと来てくれる?」

部活も終わり一段落したところでその子を呼び出す。工が話したいから、というのは嘘だ。
それでもミオちゃんは何の疑いもなしに体育館に入ってくる。

そして、そんなミオちゃんを見た工は、あろうことか大きな声でこう言った。

「霜月! 俺霜月が好きだ!」

どうにも気持ちを抑えられなかったようだった。好きと自覚したが最後、工はミオちゃんに気持ちを伝えることしか考えていなかったようだ。まだ体育館にはバレー部員がいて、皆驚きを隠せないようだった。

工の気持ちに気づいていたミオちゃんですら驚いていたのだから。

そうしてかわいい後輩の恋は実り、しばらくの間工の告白はバレー部に語り草になった。



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穂香さまリクエストです。
五色くんで「私にだけ」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



170601