君の好きなところ
君の好きなところ
「山口くん! ねえ、私山口くんが大好きだよ」
今日もまたか。俺はその子を見てため息をついた。
ここ最近毎日のように俺にアピールしてくる子がいる。同じクラスの霜月さんは、なぜだか毎日俺を好きだと言ってくる。
俺のどこがいいのだろうか。俺はその子がよく分からなくて、いつも適当に返事をする。
「ああ、ありがとう……」
その子はそれでも毎日懲りずに俺のもとに来るんだけど。
そんなある日の部活帰り、帰路にある喫茶店を何気なく見たら、霜月とツッキーが楽しそうに話してるのが見えた。
なんだ、なんだ。霜月はツッキーと近づくために俺を利用したのか。
そう思ったらなんだか腹が立って、少し期待してた自分が情けなくなった。
「山口くん! 今日もカッコよかったよ!」
「……」
部活終わり、霜月が俺に話しかけてきたけど俺は彼女を無視した。
あんなにツッキーと楽しそうにしていたくせに。
「山口くん?」
「あーうるさいな。俺は大っ嫌いだ」
突き放すように言えば、霜月は目に涙を浮かべて走り去るのだった。
部室で着替えていると、ツッキーが俺に話しかけてくる。珍しいな。
「山口……霜月と何かあった?」
「何も。だって霜月はツッキーが好きなんでしょ? この前喫茶店で一緒にいるところ見たんだよね」
俺の言葉にツッキーは大きくため息をつく。
「それね。全部山口に関する相談だから。山口の好きなところばっか上げて、どうしたら信じてくれるんだろうって悩んでた」
「え……」
俺は言葉に詰まる。勘違いだったのか。でも今更そんな、かっこ悪い。
「山口、霜月今教室にいるから、行きなよ?」
「……うん、うん。そうだね、行ってくる」
俺は部室から走り出た。
教室まで走っていけば、霜月が泣いているのが見えた。
かっこ悪くったっていい。俺は俺なんだから。
「霜月!」
「! 山口くん……?」
俺に気づくと霜月は目をごしごしこすり笑う。
「ごめん霜月……俺、自分に自信がなくて、霜月が本当に俺を好きか信じられなくて。でも俺、霜月が好きだよ」
まっすぐに伝えた。笑われてもいい、かっこ悪くてもいい。これが今の俺なのだから。
「山口くんは、努力家でかっこいい……山口くんの笑顔は、優しい。山口くんは、とても親切。山口くんは友達思い……いっぱいいっぱい、山口くんの好きなところがあるんだよ?」
霜月は笑っている。
「霜月、俺と、付き合ってください」
「はい、喜んで」
俺とミオは付き合い始めた。今ではとても楽しくやっている。
今日も一緒に教室でお弁当を食べている。
「なんだ山口、結局霜月と付き合ってるんじゃん。霜月も霜月で僕なんかが、相談に乗る必要なかったんじゃないの?」
ツッキーの顔は笑っている。つまりは俺たちにおめでとうって言いたいんだろう。
「ありがとう、ツッキー!」
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優希さまリクエストです。
山口くんと猛アタックするヒロインです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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