双子

(「どっちもどっち」続き)


双子



侑くんは私に嘘をついた。双子の弟である治くんをドッペルゲンガーだと私に言ったのだ。
私なりにドッペルゲンガーについて調べた。侑くんが言っていた通り、ドッペルゲンガーを見た人間は死んでしまうと書いてあった。

だから私は、侑くんのために一生懸命ドッペルゲンガーの動向を探った。もっとも、ドッペルゲンガーが意思をもっていたことに疑問を抱かない私も私だけれど。

「ミオちゃん、まだ怒ってるん?」

「怒ってないですー!」

「嘘やん、めっちゃ怒っとるやん!」

私がお灸を据えようとしたって、侑くんは動じない。それどころか楽しそうにしている。

「侑くんなんか、知らない!」

時は昼休み、私は購買へと走った。



購買に来ると高確率で治くんに出くわす。今日もまた、私は治くんと顔を会わせてしまっていた。

「ミオちゃん、まだ怒ってる?」

侑くんと同じ言葉を吐き出す。さすが双子だ。だけど、

「怒ってないですー!」

「……そっか。わかった」

「あれ?」

「え?」

怒りを露に言い返せば、治くんは侑くんとは正反対の反応を見せた。虚をつかれて、私は治くんをまじまじと見る。

「な、なんや?」

「ううん。やっぱり治くんは侑くんと正反対だよね」

「……また侑と比べたんか」

「あっ、ごめん」

不機嫌な物言い。
きっと治くんは小さい頃から侑くんと比べられてきたに違いない。

「治くん、ごめ――」

「あーいたいた! ミオちゃん、治!」

謝ろうとしたとき、侑くんの声に遮られた。明るいそれに、私は侑くんを見る。治くんもため息混じりに侑くんの方を見た。

「なんや侑」

「なんやってひどいな。ミオちゃん、こないだの詫びにパン奢ったる」

「え、え?」

「な、治。いいやろ?」

「俺を巻き込むなって――」

「ささ、ミオちゃん、俺と治の奢りや。好きなもん選び?」

正反対、だからちょっと気になる。
治くんも侑くんも、見た目はそっくりなのに性格はまるで違う。だから私は、彼らのことをもっと知りたいと思ってしまったのだ。



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穂香さまリクエストです。
宮兄弟で「どっちもどっち」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



170818