認めたくない

認めたくない



私のお兄ちゃんはバレー部のセッターをしている。レギュラーメンバーでかっこよくて大好きなこーにぃちゃんを近くで見ていたい、応援したい。
だから私は、烏野に入学して迷わず男バレのマネージャーになった。

だけど実際、こーにぃちゃんは"ある人"のせいで、レギュラーを奪われた。

「ミオちゃん、お疲れさま」

「あっ、澤村先輩、お疲れさまです!」

私は先輩たちに笑顔で頭を下げた。
澤村先輩は、こーにぃちゃんの同級生で仲良しさんだ。

「ミオ」

「っ、何、飛雄」

私が先輩と談笑していたら、こーにぃちゃんからレギュラーを奪った張本人、飛雄が私に近づく。
私が飛雄を名前で呼び捨てにしてるのは、仲が良いからではない。飛雄が私を"ミオ"と呼ぶのが気に入らないからだった。

「トスの練習、付き合ってくれないか」

「……他の人、頼めばいいじゃん」

そうは言っても私が断れないのは明らかだった。




青城との練習試合、俺はセッターを努めることになった。
本来なら正セッターである菅原さんが出るべきなんだろうど、それでも及川さんという人と戦えるこの機会は有り難かった。
だけどなかなか、やはり体が震えてしまう。これは武者震いか、恐れかなんてわからない。

「……飛雄」

「? 何だ?」

そんな俺に話しかけてきたのは菅原さんの妹で、バレー部のマネージャーのミオだった。
ミオは何処か俺を嫌っていた。いや、理由なんてわかってる。俺が菅原さんからレギュラーを奪ったからに他ならない。

「飛雄。ま、負けないでよ……」

面食らった。
あのミオが、俺に応援の言葉をくれるなんて。
震えは、止まっていた。

「おう、行ってくる」

そうして俺は、青城との練習試合へと繰り出した。


――――――――
千明さまリクエストです。
影山くんで、菅原くんの妹のお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



160612