思惑

(「気になる」続き)


思惑



最近、後輩の縁下とミオちゃんの関係にもどかしさを感じている。

「なあ、大地。あれ絶対両思いだよな」

「スガ? ああ、まあどうみてもそうだけど」

部活の休憩時間、見学に来たミオちゃんと縁下は仲良さげに話をしていた。
はやくくっつけばいいのに。そう思ってるのは俺だけではないようだ。

「なあ、大地、旭……」

面白がってる訳じゃない。ただ、ミオちゃんと縁下を本当に心配しているのだ。

「縁下に行動に移させるために、一肌脱ごう」

「なっ、スガ……」

旭はおどおどとしていたし、大地はでしゃばりはよくない、と言いつつも、俺たちはその日から縁下をけしかける行動を開始した。




「ミオちゃん、いらっしゃい!」

「え、菅原さん?」

然り気無く、ボディタッチした。
ミオちゃんが来る度に。

「おー、よく来たな、ミオちゃん」

大地が頭を撫でるとミオちゃんは照れ臭そうに顔をほころばせた。

「ミオちゃん、元気だった?」

旭もおどおどしながらもミオちゃんに話しかける。
だけどそんな俺たちに清水が白い目を向けていた。え、怖いんだけど。

「菅原、やりすぎじゃない?」

清水の呆れたような言葉にも、俺たちはめげずに縁下をけしかけ続けた。

そうして、初めは見て見ぬふりをしていた縁下だが、数日も続ければ、縁下は俺たちからミオちゃんを庇うように前に出た。

「あの、ミオは忙しいのでっ!」

明らかにミオちゃんを意識し、俺たちから守るようにミオちゃんを背中に隠した縁下に、俺たちは小さくガッツポーズをした。

「あっ……ごめん縁下。ミオちゃんは縁下の大事な人だったもんな」

「「なっ……」」

止めの言葉に、縁下とミオちゃんは顔を見合わせる。
ごめんな、縁下、ミオちゃん。
でも見てる方がやきもきするんだよ。

「ミオ、その……そういうわけだから、付き合おうか」

ようやく吐き出された縁下の言葉に、ミオちゃんは目を丸くした。

「はぁ。ごめんね霜月さん。菅原たちのスキンシップは、縁下をその気にさせるためっていうか……」

そんなミオちゃんに清水がフォローを入れれば、ミオちゃんははにかみながら答えるのだった。

「いえ。お陰で力くんと付き合えることになったので」

えへへ、と笑うミオちゃんに、俺たち四人はホッと胸を撫で下ろした。



――――――――
千明さまリクエストです。
縁下くんで「気になる」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



160613