尾行

(「思惑」続き)



尾行



ある日、縁下がミオちゃんをデートに誘っていた。
かわいい後輩の恋を私は応援していた。
だけど私は、同時に不穏な動きに気づいてしまった。
縁下がデートに誘う現場を、東峰が見ていたのだ。

「スガ、大地。縁下がミオちゃんとデートするって」

「やるなー、縁下……なあ、スガ、旭……」

黒い笑いを浮かべた澤村は、二人にとんでもない提案をした。
菅原は乗り気に、東峰は押しきられる形でその提案に参加することになった。




ミオとのデート、楽しみにしていたはずなのに、背後が気になって仕方がない。

「力くん?」

先程から後ろばかり気にする俺に、ミオはおもむろに泣き出した。え、なんで。

「私とのデート、つまんないかな……」

「ち、ちがうっ!」

あわてふためく俺をよそに、ミオの涙は止まる様子はなかった。




縁下とミオちゃんのデートを尾行していた澤村、菅原、東峰は、ミオちゃんが泣き出すなり、二人の前に出ようとした。

「待ちなさい」

「清水?」

澤村の肩をつかみ、制止した。
澤村は私を見るなり肩を震わせて驚いていた。

「なにしてるの」

「いや、その。あのっ」

挙動不審な澤村をひとにらみし、三人を引っ張ってその場をあとにした。
ミオちゃんは、なんとか泣き止んだようにみえた。



「縁下、これ。ミオちゃんと行ってきなよ」

翌日、私は縁下に映画のチケットを渡した。この前の澤村たちの尾行のお詫びだ。

「え、あ、ありがとうございます」

縁下はよくわからないようだったけど。
ミオちゃんとうまくやりなよ、心の中で呟いた。



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千明さまリクエストです。
縁下くんで「思惑」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



161009