いなくなる

(「失恋から」続き)


いなくなる




親友がかつて忠くんを好きだったと知った。
私はなんにも知らなくて、だから忠くんの前からいなくなる決意をした。



ある冬の雪の降る日、ミオから別れを告げられ、ミオはそのまま姿を消した。
一人ではどうにもできず、ツッキーとツッキーの彼女に相談した。

「ばかじゃないの」

「あーもう、ミオったら」

ミオは言っていた。ツッキーの彼女つまりミオの親友が昔俺を好きだったと。
だから付き合えないのだと。

俺とツッキーと彼女で、ミオを探した。



どこにいるのか、考える。
そういえば、初めて行ったデートはあの公園だ。
ツッキーたちと一緒にそこに向かえば、ミオはベンチに座っていた。寒さから体が震えている。

「ミオ!」

「え、あれ。みんな」

ミオは俺たちを見てふにゃりと笑う。心配かけて、何て顔だ。

「心配させないでよ! ……私は私の意思で山口を諦めたんだよ? あんたの方が大事だから。それに今は蛍と仲良くやってる」

「そうだよ。勝手に諦めないで山口の隣にいなよ」

ツッキーたちの言葉に、ミオは立ち上がり、俺をまっすぐに見た。

「忠くん、改めて私とつきあってくれませんか」

「もちろん」

そっと抱き締めた体は冷えきっていて、だけど俺たちの絆は確かに深くなっていた。



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優希さまリクエストです。
山口くんで「失恋から」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



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