進展の遅い恋

進展の遅い恋



私には好きな人がいる。東峰旭くんはとても優しい男の子だ。
見た目は怖くてよく成人と間違われるけど、私は知っている。彼は優しい人だということも、引っ込み思案だということも。

そんな彼だから、私は告白できずにいる。彼が恋愛に興味がないのもあきらかで、フラれるのが怖くて告白なんかできないのだ。

「東峰くん、おはよ」

「お、おおはよう、霜月さん」

それでも折を見て彼に話しかけてはいるけど、彼はいつも挙動不審に答えるから、私を警戒しているのも知っている。

恋い焦がれて私はどうにかなりそうだった。彼が好きでバレー部の練習試合にも応援に行くくらい、本当に私は彼で一杯だなのだ。



そんな彼らは今度、春高に行くらしい。今年のバレー部は強い。
春高が決まった彼は、どこか前よりも自信に満ちた表情になっていた。

「霜月、ちょっといい?」

「東峰くん?」

そうして春高も近くなったある日、私は東峰くんに呼び止められ、誰もいない廊下に連れ出された。
やっぱり、彼の顔つきは変わった。だいぶしっかりしたように思う。

「俺さ、今度春高に行くんだけど」

「知ってるよ。おめでとう」

「ありがとう。それで、霜月に言いたいことがあるんだ。だから、春高に応援に来てくれないかな?」

まるで告白のようだと思った。言いたいことってなんだろう。今じゃダメなのだろうか。

「東峰くん、今城いちゃダメなの?」

「あー。うん、ダメだよ。優勝して、かっこいいところを見せてから言いたいから」

それだけ言われたら彼が何を思っているかなんて私でもわかってしまう。
だけど私は気づいていないふりをして、大きく首を縦に振った。



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三周年企画。
東峰くんと。
企画参加ありがとうございました!


170427