喧嘩(「
下僕」続き)
喧嘩
最近、冬野さんがかっちゃんの「狗」になったと、噂になっている。
あのかっちゃんの性格上、否定できない僕がいる。
「ねえ、どう思う、麗日さん」
「うん、聞かないとわからへんな」
そうして僕たちは冬野さんに直接聞くことにした。
「お前、爆豪のなに?」
「え、私……」
冬野さんを探していたら、B組の物間くんに絡まれていた。
「あ、あの!」
「なに、緑谷」
だから僕は、震える声で二人に声をかける。
「冬野さん、僕たちと約束してて。い、行こう!」
そうして半ば強引に冬野さんを物間くんから離すように冬野さんの手を引いて歩き出した。
教室まで来て僕と麗日さんは冬野さんをまじまじと見る。
冬野さんは僕を見て首をかしげた。
なんだろう、狗って感じはしない。割りと自由な感じがする。
「冬野さん、かっちゃんに弱味握られた、とか? 狗扱いされてるって……噂になってて」
「? 狗?」
「私たち、悩みあるなら相談乗るよ!?」
僕と麗日さんの言葉に、冬野さんは疑問符を漂わせ、こてん、と小首を傾げるだけだった。
気のせい、だったのかな。
昼休み、食堂から教室に帰ったら、ユキもとい下僕がデクと話をしていた。
はあ? 俺の下僕に何してやがる。
「おいデク、てめえ何してやがる」
「か、かっちゃん!」
ぐっ、と胸ぐらをつかんで睨む。
「デクお前、人のもんに手ぇだして、わかってんだろうな?」
「ばっ爆豪さまっ?!」
右手を振りかざして殴ろうとしたときだった。
「っ、ユキてめえ、どういうつもりだ」
「っ、緑谷くん、なにもしてないっ」
泣きながら俺にしがみつくそいつ。
あ? 泣いたら周りのやつが巻き込まれんだろが?
だが今は、そんなんどうでもいい。
「離せ、」
「だめっ」
しゃくりあげながら、個性を制御しながら俺を必死に止めるそいつに、毒気が抜かれた。
「ちっ、命拾いしたな、デク」
「か、かっちゃん、冬野さん?」
デクから手を離せばユキは、床にへたり込み、本格的に泣き出した。
「下僕、次はねえからな」
個性、制御できんじゃねえか。その言葉はあとで言うとして。
俺はデクを一瞥して、教室をあとにした。
――――――――
千明さまリクエストです。
「
下僕」続き、爆豪くんの狗と噂され、出久くんに心配され、出久くんと爆豪くんが喧嘩するお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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