下僕

下僕



時は春。
かの有名な雄英に入学して以来、変な女が俺に毎日のように絡んでくる。

「ば、爆豪さまっ、どうか私めを弟子にしてくださいいっ!」

がばーっとひれ伏すそいつは確か、冬野ユキっつったか。
個性は「静電」で、乾いた時にこいつに触ったやつが痺れて哀れなことになっていたのは記憶に新しい。
ついでに、泣いたり怒ったり叫んだりして、周りが巻き込まれんのも見たことがある。

「俺は弟子なんかつくんねーよ」

「そっ、そんなぁ……」

怒鳴り付けるように言えば、そいつはあからさまに肩を落としていた。



おどおどして、デクみたいでイラつくやつ。そう思っていた。だが、俺の見る目がなかったらしい。

人命救助の演習で、ヴィランが攻めてきたとき、そいつはなるほどなかなかいい動きをしていた。
思ったより骨のあるやつじゃねえか。



「おい、下僕」

「え、わ、私?」

あの事件のあと、俺はそいつを弟子、もとい下僕にすることにした。

「稽古つけてやる、今日からお前は俺の下僕だ」

言えばそいつは顔を緩めて笑っていた。なんだこいつ、笑えんのか。笑うとなかなかかわい……じゃねえよ。こんな下僕、なんとも思ってねぇからな。



そんなわけで、下僕になったそいつは、校内では俺について歩くようになった。ぺちゃくちゃと聞いてもいないのにこいつは身の上を話してきた。なんでも、個性のせいで親に抱き締めてもらった記憶がないとか。
んなこと俺のしったこっちゃねえ。だが、なんでこんなに胸がささくれだつんだ?

「おい、下僕」

「あっ、何でしょう、爆豪さま、え?」

触ってみた。本当に、こいつに触ると痺れるのか、確かめてみたかった。

「え、あれ?」

「ああ? もしかして、お前の個性、俺に効かねえんじゃね?」

意外だった。俺には効かねえとかそんな都合のいいことあんのかよ。

「ばっ、爆豪さまっ!?」

ビリビリビリっ
叫んだことにより周りにいた人間がこいつの個性に倒れていく。おいおい、こんなとこで使うな……ってかこいつ、男に耐性ないのかよ?

「おい、下僕」

とりあえず触っていた手を離し、そいつを見下ろす。

「な、なんでしょう……」

顔を真っ赤にするそいつに、なんだか優越感が満たされて、俺は出掛けた言葉を飲み込んだ。

俺だけのもんだ、なんて、俺らしくもねぇからな。


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千明さまリクエストです。
爆豪くんで弟子にしてもらうお話です。
個性:静電(乾いた時期に触った人をビリビリさせる。泣いたり怒ったり叫んだりすると周りを巻き込む)
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!


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