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私、涼宮 華蓮は誰が見ても上から下まで超が2つ3つ付くほどの超平凡なジミ女。
そして恋人の久々知 兵助は、今どき有り得ないぶ厚い瓶底のトンボ眼鏡の冴えないダサ男。
周りはジミ子とダサ男でお似合いのカップルだと賞賛するが、私はともかく兵助は違う。
恋人の久々知 兵助は眼鏡を外すと、芸能人も顔負けの超イケメン。
桜色のツヤツヤな唇。
真っ白な肌もまるでお豆腐のようだ、と褒めたところ泣いて喜ばれたのは記憶に新しい。ちょっと引いたのはここだけの秘密だ。
イケメンの兵助と並んで歩いていると、何あのジミ女死ねよとか、ダサ女マジうぜえ。とか…言葉じゃ言い尽くせない陰口やら悪口を言われるけど、私は兵助のことが大好きだから気にしない。
それ以前にケバいメイクのギャルからすれば、ジミでダサいかもしれないが、いたって普通だ……たぶん…おそらく。
それに今日も部活の後にデートをするんだ。
男子テニス部の平部員のマネージャーをしているから、必然と帰りが遅くなる私をいつも待ってもらうのは申し訳ないが、レギュラーと違って平部員は30分早く終われる。朝から楽しみだったんだ。
「マネージャーお疲れ!」
「お疲れッス。えーたしかー………ああ〜………そうそう。テニスの腕はそれなりにたつのに、肝心なときに決めきれない、要するに決定打に欠ける根岸先輩」
「いろいろツッコミたいがまあいい」
いいんかい。いやツッコまれたら困るのは私だけど。
「いや…いい加減に名前を覚えてくれ。それより名前の前に言わなくともいいことをわざわざ言うのやめてくれよ。いろいろヘコむ」
結局ツッこんじゃったよ根岸先輩。
「スミマセン。気が向いたら可能な限り頑張ります」
「…気が向いたら……か…」
何落ち込んでいるのか知ったことではないが、早くしてくれよ。
「根岸先輩、何しに来たんですか?こちとら予定ありまくりなんですが」
「あーそうだった。俺たちはもう終わるから、テキトーに上が……ってもういないし」
根岸先輩の“俺たちは”の下りからダッシュで女子テニス部の部室に飛び込み、高速早着替えでジャージから制服にフォルムチェンジ。
私は意気揚々と部室を後にした。
これから楽しい楽しい、兵助との放課後デート。部活?それなら大丈夫。
片付けもコート整備も既に完了している。
部活動日誌(平部員用)も部活動の後半で顧問の先生に渡してある。
私は正レギュマネの何とか先輩とは違うのさ。
たかだか7、8人分にどんだけ時間かかってんの!?。
驚きの鈍くささに最初目玉ひん剥いたさ。
洗ったタオルはソッコーで落とすわ、ドリンクはまるで塩のよう、というより塩だった。スコアは書き間違っているは球拾いも時間かけ過ぎで、めちゃくちゃ部員の邪魔(主に平部員)。
根岸先輩が遠い目で“今から謝っとく…スマン!!”といきなり謝罪されたのは、よく覚えている。
その何とか先輩のアフターケアのおかげで部活は長引くは、デートは度々遅刻するはで言いたいことは色々あるが、今は兵助とのデートが最優先!
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