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俺は今、ひとりの女に恋をしている。
そいつは全国から集められた女子選手の中でも断トツの強さを誇り、また気高く美しかった。
気付けば涼宮も女子のNo.1。
お互いチームをまとめる立場からか、相談することが多く、涼宮の悩みを聞く内に、ベタではあるが俺は自分でも気づかぬ間に恋に落ちた。
涼宮は…何を思っているのだろうか。貼り付けた笑顔の仮面の下で一体何を考え、何を思っているのだろうか。
我ながら随分と女々しいものだ。
「あら、平等院じゃない」
「涼宮か」
「暇なら一緒に打たない?」
ランニングの後なのか、うっすらと汗をかいていて誘っているようにしか見えない。
俺も男だからやめてくれ。
“どう?”と微笑む彼女は、薔薇のように美しかった。
内心ため息が出そうになる。
そして二つ返事で彼女の誘いに乗った俺は、如何に鍛えていようとも、所詮オトコということか。
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