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「平等院さんのどこか良かったんですか」
練習の休憩時間。
たまたまコート裏を歩いていたとき、偶然耳に入ってきた。
「せや!一回聞いてみたかったんや」
…何聞いてやがる。
あれは徳川と種子島か。余計なこと聞いてんじゃねぇ!!
「あらぁ。平等院にだっていいところくらいあるわよぅ」
“あなたたちが知らないだけよぅ”
妖艶な涼宮の発言に体中の熱が顔に集まった。
そんな気がした。
「クイーン!コーチが呼んでました」
「あらぁ。ありがとう、弥生ちゃん」
涼宮を呼びにきたのは女子のNo.5、皆川 弥生。たしか高一ながら、女子で一番のパワープレーヤー。
将来が楽しみだと涼宮が嬉々として語っていたのを覚えている。
「それじゃあふたりともまたね」
「ちょっ姐さん。はぐらかさんといてや」
「そうですよ」
「聞こえなーい。いきましょ、弥生ちゃん」
涼宮たちが去ったあと、当然ながら男だけが残された。
「逃げられましたね」
「せやな。しっかしあの反応はまんざらでもないでぇ。時間もあることやし、これから…」
「…これから……何だ?」
ビクッとこっちを振り返ったが、その顔には驚愕の表情が見て取れる。
「な…なんや平等院。おったんか」
「いちゃ悪いのか」
「良かったですね。両想いですよ」
しれっとしている徳川と種子島を捕まえて、私刑に処した。
後に善意で、とか、これで思う存分告白できるやん、とか言ってやがった。
余計な世話だ。
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