V


海外に遠征に行くことが決まった。
対象は男子の一軍のみ。
今までは女子も一緒だったのだが、少なくなったからか、今回は居残りらしい。


俺は遠征に行くにあたって、決めたことがある。

“彼女に想いを告げよう”……と。

届かなくとも構わない。例え独りよがりの自己満足でも。

全く俺という奴は、一体いつから女々しくなったんだ。


というわけで、夜のラウンジに涼宮を呼び出してみた。

「平等院、どうしたの?こんな時間に」

「ぁ…ああ」

正直、どんな局面の試合でもここまで緊張しない。
さあ、頑張れ俺!
言え!言ってしまえ。

「ぁ明日から、海外遠征だ」

「そうね。頑張ってね」

「ぁ…ああ、それでな……」



















結論、言えなかった。涼宮を1時間近く待たせた挙げ句に、あー、とか、その…だのしか言えず、結局。

「帰ってから話がある」

「そう。なら帰ってから聞くわね。私も平等院に大事な話があるの」



そう言ってその日は別れた。もちろん涼宮を部屋まで送り届けたが、俺の意気地の無さは女子か!?と自分で自分を罵倒したくなった。
一生彼女に俺の想いは届かないのではないかと、自室で泣いた。

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