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長かった海外遠征も終わり、ようやく合宿所に帰ってきた。
俺たちがいない間に中学生が50入ったらしい。
テニスの腕もそれなりに強いらしく、今からどうやっていたぶってやろうかと楽しみだ。
俺はよく見た目と性格からか、怖いや野蛮だとかいわれて女は逃げる。
地味に傷つくが、唯一涼宮だけは逃げなかった。逃げるどころか、こんな俺でも優しいといってくれた。
涼宮は元気にテニスをしているのだろうか。
コートに入ると野郎どもに混じって女子もちらほら見える。また少し数が減ったか?
涼宮の姿が見えない。コーチに呼ばれたのか?
「徳川、涼宮はどうした?」
徳川は神妙な顔で、真っ直ぐ俺の目を見て宣告した。
「平等院さん。涼宮先輩は……」
彼女は合宿所を辞めた。俺たちが帰る前日のことだ。
中学生の女子選抜、(といっても一人だが)花井 亜由美という女と戦って負けたら出ていくというシンプルで一方的なもの。
徳川から聞いた話だ。結果、涼宮以外の女子選手は花井に敗戦。見かねた涼宮が花井に勝負を持ち掛けた。
“花井さん。少しおいたが過ぎるわよぅ。…私が勝ったら、彼女たちは見逃して。代わりに私が出ていくわぁ”
“ふふん、いいですよ♪さすが女王サマですね〜。女子選抜最強の実力を見せてもらいます。それでも勝つのは私ですけどね!!そうだ、私が勝ったら女王サマの玉座を譲ってくださいよ”
怒りに満ちた涼宮はまさに孤高の女王。誇り高き女子選手最強の女王陛下。
花井 亜由美を一切寄せ付けずに完膚無きまでに叩き伏せた。
さすがだな。
“花井さん。約束だからねぇ”
涼宮はそう言い残し、合宿所を去った。
見事に女王陛下を玉座から引きずり降ろしたヒロイン・花井 亜由美は、女子選手たちから総じて無視されている。
残った女子選手たちは、女王の信者。信者の態度は当然のことで、同情はせん。
あの様子なら花井も合宿所を去る日も近いだろう。
「平等院さん。涼宮さんからの伝言です。“約束守れなくてごめんなさいねぇ”だそうです」
「…そうか」
「姐さん。立派な女王様やったで」
「……そうか」
結局俺は涼宮に想いを伝えることも、彼女の胸中を聞くことも出来なかった。
次、もし彼女と会うことができたなら、逃げずにきちんとけじめを付けようと思う。
end
平等院夢。
なんかめっちゃシリアスな上にキャラ崩壊してる感じ。
連載するなら女主視点で 微原作沿い になるかと思います。
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