U
立海大中学の裏庭園は花々の咲く美しい景色とは裏腹に、誰も立ち入らない恋人たちの密会場所。
穴場過ぎて誰も来ないけどね。むしろ好都合なんだけどね。
要するに裏庭園でのランチが私とへいすけのいつものお昼。
「華蓮ちゃんのおべんといつもおいしいね」
「うふふありがと。今日はデザートに豆乳ドーナツがあるよ」
「やったぁ」
可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い!
なんてかぁーーいい!もぐもぐタイムなんだ!!
お姉さんはキミの笑顔で、すでにお腹いっぱいですo(`▽´)o
へいすけの笑顔を見ながらのランチタイムは、私にとっては癒やし、至福の時間。
正にしあわせ。少なくともこのときまでは。
「先輩人がいますよ」
瞬間、私たちは固まった。
なぜなら天下の男子テニス部レギュラー+マネージャー(おヒメさま)がぞろぞろやってきたからだ。
なぜいるんだよテニス部。自分らの縄張り(屋上)に行ってろよ。
ってそういえば、朝先生言ってたか。
“今日から3日間、屋上の出入りは禁止な。壊れたフェンス直すから”
私としたことが抜かったわ。
今更嘆いたところで遅いのか。
「あっこいつ同じクラスの涼宮 華蓮!」
「いっつもここで食っとったんか」
ハァ…丸井と仁王か。いままで関わらないようにしてたのに。
ここにきてのこの失態は最悪過ぎる。
「涼宮久しぶり」
「お久しぶりですね。ジャッカル君」
このジャッカル君とは1年2年と同じクラスで、彼のお人好し…いや、人柄の良さからか男子の中では仲が良いほう。
現に今も“スマン”と言って私に謝っている。
「ジャッカル、知り合い?」
「ぁ…ああ…まぁ」
「ふむ。涼宮 華蓮。3年B組。部活、委員会ともに無所属で3年連続でミス・立海に選ばれるほどの美貌の持ち主。通称、立海の魔性の女。性格に難ありだが、生徒の中には彼女に蹴られて死にたいと所望する人もいるとか」
そんなググればすぐに出てくる情報を自慢気に。ご苦労だね。
「それより早く出てってください。迷惑です」
「そういうわけにいかないな」
は?何言ってんだ。
「ここ人が来ないし、景色は最高だし、居心地良いし。俺気に入っちゃったんだよね」
だよね…ではない!なんとかして幸村たちを追い出さないと、私とへいすけの憩いの場がぁ〜。
「けど部長。魔性の女っすよ。俺ミーハーと同じところで食うなんてまっぴらですよ!!」
こっちだって願い下げだワカメ頭。
「男をたぶらかすとはたるんどる!」
たぶらかす?あっちが勝手に言い寄ってくるだけで、そりゃあちょっと遊びで色仕掛けもしたことあるけど、相手の人も遊びだって理解しているからね。
言い訳している場合じゃない、腹立たしいけど、この2人に頑張ってもらわないと。
頑張れ!名もなきもじゃもじゃ頭くんと、誰だっけ?確か…………そうそう真田くん。
- 25 -
*前次#
ページ: