V
目の前で繰り広げられるイチャイチャ。
通称
“わちゃわちゃワールド”
こいつら四六時中ベタベタベタベタ引っ付きやがって!女子か!!
知ってるか!?厠に行くのだって一緒なんだぞ。
…正直……正直…
「羨ましいんですけどーー!!」
「留さんうるさい!」
伊作渾身の上段回し蹴りが飛んできた。俺の後頭部にクリティカルヒット。地味に痛かった。
「伊作その暑苦しく鬱陶しいものはほっとけ」
「そうだね」
机に突っ伏す俺を捨てて食事に戻る級友たち。
仙蔵伊作、なんて冷たいんだ。ああいいさ、いいんだ。華蓮の純潔を守るのは他ならぬ俺の役目だ。
俺は常々思ってたんだ。五年生はわちゃわちゃし過ぎだと。どこぞのギンギン野郎ではないが、忍者たるもの、もっとストイックであらねばならん。
「留さん本心は?」
「華蓮とわちゃわちゃするのは俺だっ」
「ふん、どのへんがストイックなんだ」
「おい、お前たち」
「ぁ、けま先輩。おはようございます」
流石華蓮。すぐ俺に気付くとは良く出来た子だ。
「食満先輩も一緒に朝ご飯いかがですか」
「いや俺はもう食べ…」
「そう言わずに」久々知と尾浜に引っ張られ、俺は華蓮の隣りに座った。
「けま先輩、これ美味しいですよ」
華蓮が冷ややっこを差してくるが、いや何で豆腐?
「華蓮気持ちは嬉しいが…そのだな……」
「先輩、食べて頂けないのですか」
ムッとした顔の華蓮が俺の膝に乗り上がってくる。手には冷ややっこ…というか最早残骸。グシャグシャじゃないか。
「ぜん゛ばい゛。このままでは豆腐が浮かばれませんっ」
号泣久々知が俺に詰め寄ってくるが、せっかくのイケメンが台無しな上に、ダメだ…掛ける言葉が見つかんねえ。
「せんぱ〜い」
今度は残りの五年が絡まってきた。
「ちょっま…待てお前ら」
華蓮どさくさに紛れて何処触ってんだ。
「食満先輩、午後暇ですか?俺たちと遊びましょ」
竹谷、くびっ俺の首絞まってる。死ぬ…もう死ぬ……
だぁーーー!!
俺をお前らの“わちゃわちゃワールド”に
引き込むなー!!
#sozai1805_w#
その頃六年の食卓では。「留さんバカだね」
「ああ、馬鹿だ」
「…もそ」
「五年のわちゃわちゃはいつものことなのだ」
「ふん…自業自得だ」
こんな会話が繰り広げられていた。
俺はというと、この後すぐに6人にわちゃわちゃされ、仲良し学年の手により、体よく保健室送りにされた。
end
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