その4


以上です。

「マネージャーが出てこなかったのだ」

「いや兵助、かすりはしたぞ」


勘ちゃんの言うとおり、かすりはした。あのときだけだけどね。もっと言ったら、遊びのことで頭が一杯で宮下マネージャーのことはすっかり忘れてたけど。

「かすっただけなのに…何故私か、さっぱりわかりません」

「じゃ、あれどーすんだ」

はっちゃんの指差す先の、テニス部御一行を盗み見て、うっと言葉を詰まらせる。

「おい。まだかよぃ」

「人を待たせるとは、たるんどる!!」


私が怒られる理由は不明ではあるが、明日には真田くんは血祭りだろう。
それは置いといて、この場は取り敢えず。

「お断りさせて頂きます」


私の返答とともに雷蔵と勘ちゃんは、宮下マネージャーを含むテニス部御一行を、私のお城である調理実習室から放り出した。

「うーん、もう来ないでね」

「次来るときは手土産忘れんなよ〜」

ふたりで矛盾したことを笑顔で言い放つ姿は、実に様になっていたと思う。


「待って芽衣子ちゃん!私と一緒にやろうよ!!」

「愛子先輩もこんなに頼んでんじゃんか!!」

扉の向こう側で何か叫んでいるが、それら全てを全部無視して、私たちは昼食を再開した。


うん!カラッと揚がった唐揚げ。絶妙だね。さすがは私だ。

「ん?そういや芽衣子って結局マネージャー助けたっけ」

「助けてないよ。さなちゃんたちは助けたけどね」

「とんだ自意識過剰なお姫様だよ〜」

…雷蔵様こわいですが。

「…幸村と柳がいなかった」

へいすけのひとことで私たちは固まる。

不安だけが積もっていく。

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