その2
3
「芽衣子。どういうことだ」
私の両肩を掴んで、ガックンガックン揺さぶるはっちゃんは、鬼気迫るものがあって正直こわい。
「さあ〜?私には何のことだかさっぱり…」
「あの女、宮下 愛子は今はテニス部のマネージャーなのだ」
「ちなみに、絵に描いたような美少女で、テニスの腕をかなりのもの。…世界中の大会で優勝を飾っているそうだ」
「お家はあの宮下グループ代表のひとり娘」
「性格は少々気が強いとこがテニス部のお気に入り。分け隔てなく接することで、男女ともに人気者。…天然。空気の読めーな」
最後に三郎が忌々しげに吐き捨てる。
そういえば三郎はその手のタイプは嫌いだったな、とぼんやりながら思い出した。
とはいえ、兵助たちから挙げられる宮下マネージャーの情報に私は。
“へーそんな強けりゃ女テニに入ればいいのに…”
とか
“すごーい、私とは真逆のヒロインなんだ”
とか
相槌をうちながらも考える。
そんな立海のお姫様が私に何でマネ?
いつ友達になった。
「芽衣子 どういう関係だ」
5人に迫られ必死に思い出そうとするも、うーんダメだいつ会ったか思い出せない。
あれだけキャラ濃かったら覚えてるけどなー。
「うーむ……んぅー……」
私は頭を抱えてうずくまった。
ガンバレー思い出せー。
ただでさえババロアとまでいわないが、平凡な頭なんだから。
「助けてくれたって言ってたな」
三郎が私の頭を撫でる。
「てことは芽衣子が何かしたんだ」
雷蔵が三郎の手をパシりと払った。
「宮下はファンクラブの過激派からいじめられてたね」
「そっち系なのだ」
「それもごく最近だ」
二人の攻防戦を眺めつつ、勘ちゃんへいすけはっちゃんが教えてくれた。
5人のヒントを頼りに記憶を手繰っていく。
マネージャー
いじめ
最近
ファンクラブ
「………ぁ」
「思い出したのか!?」
はっちゃんが詰め寄ってくるも。
え?あれ?
いやいやいや
ないないない
まさかそんだけで、だなんて考えながらも、どこか否定したい自分がいた。
「芽衣子 ひょっとしてファンクラブからマネを助けた?」
恐る恐る聞いてくる雷蔵。
ピシッと固まる私。
勘ちゃんの“あ〜あ”という声が頭に響いた。