鯉登
旭川
・顔立ちとか声の大きさとか言動でなまえは勘違いしたけど、鯉登別に怒ってない。子供には「コラッ!」と軽く喝入れたくらいの気持ち。なまえ(母親)にも当然の指摘をしただけ。
・が、他人から注意されたのに煮え切らない態度で謝罪の一つもなく、それどころか自分から子供を庇おうとするなまえ(母親)にムッとして今度こそきっちり𠮟りつけようとしたところで自分の勘違いが発覚。でも自分を将校と知る目も多い中で若い女性に簡単に頭を下げることはできず、とっさに横柄な態度を取ってしまった。
それなのに嫌な顔ひとつせずに自分を立ててくれたなまえの気遣いと向けられた微笑みにキュンッ。
・慣れない感情に内心軽くパニクりつつも、せめてもの詫びとして土地勘のない彼女への道案内を思い付き、確認も取らずに即実行。エスコートなんて思いつく余裕はないのでずんずん進む。普通の女性だったら多分置き去りにされてた。
・無事(?)目的地に辿り着いたものの、これで終わりかと思うとどうにも口惜しく思えてしまって、でも軟派な言動なんて絶対にできなくて、決断を先延ばしにしてたらなまえの優しい勘違い。いっそのことその口実で宿まで送り届けようかと邪な考えが脳裏をよぎったが、先になまえが口にしたなんともいじらしいお願い事と上目遣いの衝撃に耐え切れず半ば放心状態でお戻りに。モブの兵士に声を掛けられて我に返り、用事を忘れ去ってたことに気付く。
・向けられる誤解の中で見知らぬ子供を守ろうとした優しさと胆力、非礼にも礼節をもって返す思慮深さ、そしてあの花が咲いたような笑みを思い返してはほわほわ気持ちが浮つく。多分初恋。
でも自分よりいくらか年上に見えた彼女の子供の扱いに慣れた様子(あやしてるとこ見てた)に、きっと既に誰かにとっての良き妻、良き母なのだろう。あれほど伴侶として理想的な女性(鯉登基準)があの年まで独り身のはずもないしな…と勝手に決め付けて勝手に失恋(年の離れた弟妹がいるのかもとかの発想はなかった)。旭川には滅多に来ないと言ってたしもう会うこともないだろうとさらに落ち込みそうになるが、そもそも自分はそんなものにうつつを抜かしてる暇はないのだ、と思いを断ち切った。
・後から道案内中に世間話でもすればよかったって思いついてギーッ!ってなった(断ち切れてない)。
*
・得体のしれないモノ投げつけてきた上に尾形にバカにされる原因作ったクソガキ。
← /
top /
→
home